IDE→SCSIコンバータ IDSC20 (99/3/23)


 最近のIDE HDDの低価格化は異常なほどですが、その影響で一般向けのSCSI HDDは数、ラインナップとも減り、SCSI派の私としてはさびしい限りです。特に最近ではプラッタあたりの容量が大きな最新のものはIDEから出荷され、性能面でのSCSIの優位性もあまり無くなってしまいました。

 しかし、依然としてIDEには下記のような欠点も残っています。

 最初の2つは現実的にはあまり問題にはなりませんが、最後の外付けの問題はIFの規格上どうしようもありません。IDEドライブとSCSIドライブの価格差が少なければ素直に使い分ければいいわけですが、SCSIではIDEに比較して10GBクラスで容量あたりの単価が2〜3倍高くなる上に容量のラインナップも少ない有り様では、周辺機器メーカーとしても困るでしょう。
 そうなるとIDE→SCSI変換アダプタを作って、安いIDEドライブを外付けデバイスに使おうと考えるのは自然な流れです。この話で有名なのはMelcoのSDAT方式で、これを利用したIDEドライブ採用の外付けHDDが存在しますが、I/Oデータ機器も同種のアダプタを使った機器を発売しているようです。

 今回某氏からこのI/Oデータ機器製らしいIDE→SCSI変換アダプタを借りる事が出来たので、紹介します。この製品は「秋葉原のPCショップで今は亡きA-MASTER」に入荷すると言われいていた製品ですが、結局は果たせず国内では幻の製品になってしまいした。今回も国内で調達したものではなく、オーストラリアの某社から逆輸入した製品です。


IDSC20箱外観  製品の箱です。基本的に説明は中国語?で、それにオーストラリアの某社のシールが貼ってあるだけです。

 ほんと、見るからに怪しげです。^^;

IDSC20箱の中身  箱の中身は本体と簡単なマニュアル、緩衝材程度です。マニュアルを見ると、どうやらCD-R(RW), PD等も意識して設計されているようです。これらは、ジャンパ設定で対応できそうです。SCSIのターミネーション用ジャンパもあります。
IDSC20製品ラベル IDSC20製品SPECラベル1
IDSC20製品SPECラベル2 IDSC20製品SPECラベル3
 箱の側面に印刷された各種スペックです。右上の宣伝文句があやしい。^^

ちなみに、元画像のサイズが320x240なので、画像の上で右クリックしてフルサイズに表示すると文字が見やすくなります。

IDSC20ボード表面  本体表面です。各種コントローラチップ、フラッシュメモリ、電源コネクタ、SCSIコネクタが見えます。下部が細くなってますが、ドライブ本体の電源コネクタ、ジャンパの口を塞がないための設計です。
IDSC20ボード裏面  本体裏面です。真ん中はIDEコネクタ、左側に見えているチップはどうやらSCSIターミネータのようです。
IDSC20ボード裏面  表面のコントローラ部です。H8が使われています。構成的にMelcoのIDEが接続できるSCSI HAに似ているような気がするのは気のせいでしょうか?

 恐らくはH8がSCSIデバイスとしてのエミュレーション( ドライブ名をHAに返す等 )を、隣のチップが実際のデータ転送を担当しているのでしょう。

 ちなみに、このI・O DATAの表記のあるチップ、箱の写真ではNECと印刷されています。

IDSC20ボード裏面  フラッシュメモリチップ周辺です。モロにMADE IN JAPANですね。(^^;
IDSC20製品SPECラベル2 IDSC20製品SPECラベル3
 というわけで、早速テストです。

 あたりを見回すとノート用IDE 2.5inch HDDが転がっていたので、2.5ich→3.5inch変換アダプタ→IDSC20と繋いで動かしてみよう、と思ったんですが、2.5inch→3.5incアダプタ上の電源コネクタとIDSC20が干渉して接続できないことが判明。(T_T) 仕方がないのでCD-ROMドライブを繋いでみる事に。
 でも、サポートされている事が判っているただのCD-ROMドライブでもつまらないのでATAPI DVD-ROMドライブを接続してみる事にしました。(^^)

IDSC20ボード裏面  で、IDSC20をDVD-ROMドライブに装着すると上の写真のイメージになります。Melco製のアダプタは結構大きいものらしいんですが、こちらは実にスマートに装着できます。

 左はWindows95のデバイスマネージャウインドウの一部です。上がIDSC20経由でSCSI接続したもの ( HAはAdaptec AHA-1522A )、下がIDEに繋いだ際のものです。IDSC20経由だとベンダIDが変わっているのが判ります。デバイスIDの末尾が欠けてしまうのは謎ですが。なお、IDE接続時の1522Aに(!)が付いてるのはHAを引っこ抜いてしまっているためです。

 使ってみると、CD-ROMドライブとしては何の問題もなく動作します。が、データフォーマットが違うといった内容のエラーが発生し、DVDの再生は出来ませんでした。( PowerDVDのトライアル版を使用 ) やっぱりファームの対応が必要なのかもしれません。

# もしかしたらHAが1522Aというのが悪かった可能性も。(^^;


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